南海トラフ地震の発生確率とその図示
政府の地震調査研究推進本部事務局のWebページ
「南海トラフで発生する地震」によれば、下記のとおりとなっております。
そして、詳細については、
「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版)」に書かれています。
その中で、下記の表があり、南海トラフ地震の発生確率は、BPT分布を用いて計算されていることが分かります。
2.BPT分布とは
BPT分布とは、Brownian Passage Time 分布の略で、逆ガウス分布、ワルド分布とも言われます。確率密度関数 は、下記のとおり表現される分布です。
3.BPT分布の平均、分散
BPT分布の平均E(X)、分散V(X)は下記のとおりです。
4.BPT分布、逆ガウス分布、ワルド分布の別表記方法
BPT分布、逆ガウス分布、ワルド分布はいずれも同じ分布であり、数式では先ほどのように書くこともあれば、をに、をにそれぞれ置き換えて、下記のとおり書くこともあります。
5.BPT分布の図示
上記より、BPT分布を用いて、南海トラフ地震を確率的に図示すると下図となります()。
n回陽性的中率、n回陰性的中率の計算方法
1.n回陽性的中率の計算方法
前回の記事では感染している事象を、回PCR検査を受けて回全て陽性の反応を示す事象をとすれば、次のように表すことができました。
ここで、感度を、特異度を、感染者割合をとすると、
- (統計学では、これを事前確率と言います)
は、感染者が正しく回全て陽性となる確率と非感染者が回全て誤って陽性となる確率の和となるので、
したがって、 下記のとおり計算することができます。
2.検査方法が複数個ある場合
上述については、1つの検査方法のみの場合を考えていました。検査方法が検査1,2・・・個ある場合には、感度を(n=1,2・・・n)、特異度を(n=1,2・・・n)として拡張すると、検査方法が複数個の場合についても下記のとおり計算することができます。
複数回PCR検査の受ける場合の精度に関する新たな指標の提案
1.ベイズの定理
まず、ベイズの定理の確認から。
- :事象が起こる確率
- :事象が起こる確率
- :事象が起こる条件のもとで事象が起こる確率
- :事象が起こる条件のもとで事象が起こる確率
2.従来のPCR検査の精度
ウイルスに感染している事象を、PCR検査で陽性の反応を示す事象をとすれば、下記のとおり表現することができます。
- 感度:
- 特異度:
- 陽性的中率:
- 陰性的中率:
ちなみに、、はそれぞれ、の余事象を表し、は感染していない事象、は陰性の事象のことです。
3.n回陽性的中率、n回陰性的中率
さて、次に複数回PCR検査を受ける際の精度について考えます。
それは、複数回PCR検査を受けて全て同じ結果だった時の的中率を考えれば良いと考えます。
つまり、回PCR検査を受けて回全て陽性の反応を示す事象をとすれば、回陽性的中率及び回陰性的中率は下記のとおり定義できます。