複数回PCR検査の受ける場合の精度に関する新たな指標の提案
1.ベイズの定理
まず、ベイズの定理の確認から。
ベイズの定理
(記号の意味)
- :事象が起こる確率
- :事象が起こる確率
- :事象が起こる条件のもとで事象が起こる確率
- :事象が起こる条件のもとで事象が起こる確率
(導出方法)
ベイズの定理は下記の2式(条件付き確率)から導かれます。
2.従来のPCR検査の精度
ウイルスに感染している事象を、PCR検査で陽性の反応を示す事象をとすれば、下記のとおり表現することができます。
- 感度:
- 特異度:
- 陽性的中率:
- 陰性的中率:
ちなみに、、はそれぞれ、の余事象を表し、は感染していない事象、は陰性の事象のことです。
3.n回陽性的中率、n回陰性的中率
さて、次に複数回PCR検査を受ける際の精度について考えます。
それは、複数回PCR検査を受けて全て同じ結果だった時の的中率を考えれば良いと考えます。
つまり、回PCR検査を受けて回全て陽性の反応を示す事象をとすれば、回陽性的中率及び回陰性的中率は下記のとおり定義できます。
n回陽性的中率
n回陰性的中率
は回全て陰性の反応を示す事象です。
次回は、n回陽性的中率とn回陰性的中率の具体的な計算方法についての記事を書きます。